2016年に設立されたドイツのオーディオメーカー「AFI (Audio Fidelity Improvement)」の第一弾製品「 FLAT.(フラットドット)」が先月末に発売されました。一体なんだろうと思われた方も多いようですが、一言で言えばアナログレコードをプレス時の状態に戻すデバイスです。と言っても、キズを修正するものではありません。
フラットドットはレコードフラットナー&リラクゼーションデバイスという新カテゴリーの製品です。
フラットナー機能(スタンダードモード)はいわゆるレコードの反りを無くす機能ですが、単に平らにするだけではなく極めて緻密な温度管理プログラムと正確な熱分布システムで音質を劣化させずに反りを取ります。
そして、もう一つのリラクゼーションですが、むしろこの機能が本当の意味で革新的で音質向上に大きな効果をもたらすものです。フラットナー機能の温度管理プログラムを更に掘り下げ、リラックスモードではレコードの音溝をプレス時の音溝に戻すことで、本来の音楽性を引き出すというのです。昨年初めて聞かされた時は半信半疑でした。どういう理論なのか?そんなことで音が良くなるのか?
AFI代表で物質科学の化学者であるウルリッヒ・ケーテ博士は言います。
「多くのレコードはプレス直後からの冷却プロセスにおいて物質的にストレスを受け、微細な音溝、或いはレコード盤全体が変形してしまいます。これをflat.(フラットドット)は加熱と冷却の緻密なプログラムによって、崩れたビニール素材の分子の結晶を再整列させることでレコード盤のストレスを解消し、プレス時本来のフォームに戻します。」
これをレコードのリラクゼーションと呼んでいるわけです。
まずは反ったレコードをフラットドットのスタンダードモードで処理してみました。
きれいに平らになりました。音を聞くと、トレースがスムーズになったせいか時間軸の精度が増し、音楽そのものが自然でより位相が合い空間性も向上したように感じられました。少なくとも過去に体験したようなフラットニング処理による音の劣化は一切感じられず、かなりポジティブな方向に変化したのは確認できました。
但し、すべてのレコードが反っているわけではありません。手持ちの何枚かのレコードの反りを取るためにこのデバイスを購入するかと言えば疑問です。むしろ、それだけならこの商品を取り扱うことはなかったでしょう。
しかし、我々を虜にしたのは先ほど触れたリラクゼーション機能だったのです。
このデバイスの核心と言えます。
基本的にレコードはプレス直後から始まる冷却プロセスにおいて物質的ストレスを受けます。要するに見た目は反っていなくてもほとんどのレコードは音溝レベルにおいて歪んだ状態で我々の手元に届いているということです。
これは新品のレコードでも既に音溝が変質してしまっているということになります。
それを温度管理プログラムで変質前の状態に戻すことができるなら・・・
期待と不安の入り混じる中、レコードをリラックスさせることにしました。
厳密に比較するため聴きなれたアルバムを2枚新品で再入手し、クリーニングし、音に差異がないことを確認の上、そのうちの1枚をリラックスモードにかけました。
処理に3〜4時間かかるため、試聴は翌日となりました。
まずは未処理の方を試聴。当然、いつも通りの聴きなれた音。なんら問題は感じられません。そして次に、リラックス後のストレスフリー状態のレコードを再生。
耳を疑いました・・・
質感が・・・全然違う。これは生楽器の質感だ!と咄嗟に感じました。
もう一度未処理のレコードを聴きます。生楽器の質感には聞こえなくなってしまった。というのも今まで生楽器だと思って聞いていた録音がこのストレスフリー状態の音を聞いてしまうと未処理のレコードではリアルな楽器の音には聞こえなくなってしまったのです。
再度、リラックス処理のレコードを聴きます。鮮明で、きめ細かい表現がしっかり浮かび上がり、なんと言っても生々しく心地いい。ストレスのかかったレコードはやはりストレスのかかった音がしていたことになります。これはアナログレコードを再生する上での根本的な問題と言えるのではないでしょうか。レコードの製造過程に起きるストレスなのですから。
Why リラクゼーション?
今回わかったことは、やはりストレスは解消すべきということです。
実際フラットドットの効果を体感すると、もう手放すことができなくなりました。
レコードをリラックスさせることで更にマスター音源に近づくことができ、
また一つ上のアナログオーディオライフを過ごせるようになりました。
おかげさまで、初期入荷分は完売し、近日中に再入荷の予定です。
ガラス筐体ですので、くれぐれも慎重にお取り扱いください。
at 13:09, シーエスフィールド株式会社, -
フィンランドのスピーカーメーカー「ペナウディオ」の
「CHARISMA SIGNATURE(カリスマ・シグネチャー)」を発売します。
2002年以来幾度かバージョンアップを行なってきたCHARISMAですが、
遂にシグネチャー・バージョンの登場です。
他のシグネチャー・モデル同様にキャビネットにはフィンランドバーチを
縦の積層にし、側面にはとても美しい希少なビザ・バーチ(フィンランド・
カーリーバーチ)を採用。
ツイーターはSEASのクレッセンド・タイプにアップグレードされ、
ミッドレンジ・ウーファーにはPENAUDIO特注のSEAS製エクセル・タイプ
マグネシウム・コーン・ドライバー(120mm)を搭載しています。
迫力では一回り大きいの2ウェイブックシェルフ「CENYA SIGNATURE」に
軍配は上がりますが、歴代CHARISMAから引き継がれる繊細且つ俊敏な表現には
一層磨きがかかっています。
ペナウディオの代名詞でもあるCHARISMAがシグネチャー・シリーズに昇格し、
新たな一歩を歩み始めました。
その美しくて、エモーショナルな音の世界に再び浸りたい。
at 12:52, シーエスフィールド株式会社, -
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